【盛りすぎちゃう?】大阪・金剛山の年間登山者数120万人について真剣に考えた

大阪府と奈良県の境目にある「金剛山」標高は1,125メートル。大阪の最高地点があることでも有名。春は山野草や新緑、秋は紅葉、冬は樹氷と1年を通して自然を満喫できる山です。

そんな金剛山の登山客数をインターネットで調べていると、

「金剛山の年間登山者数は120万人」という記載を見つけました。一次ソースは見つけられませんでしたが、日経の遭難ニュースや、大阪府議会議員、大手旅行会社もこの120万人という数字を使ってました。サイトによっては「高尾山(年間登山客数260万人)に次ぐ、日本で2番目の登山客数(120万人)を誇る」とも記載されています。

一方で、他のサイトでは「富士山に次ぎ登山客数が多い」との記載もあり。大阪観光局もこの「富士山に次いで〜」と記載しています。

一体どちらが正しいのでしょうか?

120万人だと1日あたり3,300人になる


年間で120万人が訪れるなら、単純計算で1日あたり3,300人です。実際には均等じゃなくて、平日は人が少なく、休日は人が多くなりますし、時期によっても異なるはずです。

そうなると、最も多い日は1日あたりの登山者が10,000人くらいの時もあるはずです。それだけの人数が、頂上広場や千早園地に集まると、休日の道頓堀くらいの密度になってもおかしくはありません。

確かに学校の遠足やイベントの時などは人が多くいましたが、上の写真のように、広々としてる時のほうが多かったと思うのですよね。

「富士山に次ぎ登山者数が多い」から考えてみよう


まず富士山の登山者数から調べてみましょう。環境省が発表しているデータでは、富士山の年間登山者数は30万人程度です。

これは富士山の主な4つの登山道(吉田ルート、須走ルート、御殿場ルート、富士宮ルート)のそれぞれ8合目付近に赤外線カウンターを設置することにより、登山者数調査を実施しているため信頼のある数値だと思われます。

富士山が30万人だとして、それに次ぐ金剛山とすれば、普通に考えて金剛山の登山者数は30万人以下です。んっ、120万人ってのは???



「高尾山(年間登山者数260万人)に次ぐ、日本で2番目の登山者数120万人を誇る」から考えてみよう

東京の高尾山は日本で一番登山客数が多いと言われています。その数はなんと260万人。しかも世界の山の中で登山者が最も多いギネス記録を樹立しているそう。どういった測定方法だったのか気になる所はありますが、高尾山の登山客が非常に多いってのは間違いなさそうです。

高尾山の標高は599メートルと低い山でありながら、豊かな自然に囲まれています。しかも都心から1時間でアクセスが可能。登山服じゃなくて街中と同じ格好、女性であればスカートなどで来ている人も多く、その気軽さが人気のひとつなのだと思います。

大阪でいうと、箕面公園あたりのイメージでしょうか?

ちなみに箕面公園の来園者は年間約110万人


大阪府が発表しているデータによると、箕面公園の来園者は約110万人です。春は新緑、夏は涼みに、秋は紅葉。この紅葉の時期の人の数ってほんとすごいですよね。

大阪で「滝」といえば、箕面の滝というほど人気と知名度があるところです。金剛山よりアクセスはよく、かつ気軽に楽しめる所。その箕面公園の来園者が110万人です。

そもそもどうやって人の数を数えるの???


ニュースなどを見ていても、来場者は何万人でした。みたいなのをよく目にしますよね。

「天神祭は130万人が訪れた」とか「住吉大社の初詣には200万人が訪れた」とか、こういったニュースを見ても、漠然と「そうかー、人多いんだなー」くらいに思っている人も多いのでは?僕もそうでした。桁が大きすぎるのですよね。

人の数え方で、チケットなどがある場合は一番分かりやすく、信頼性があります。売れた枚数が人数になるのだから。

それか富士山みたいにルートが決まっていれば赤外線カウンターを設置して測定する方法もあります。しかし、コストがかかりますし、費用対効果を考えると他の山で導入するのは難しいですよね。

天神祭のように人の出入りが自由な場合、どうやって数えるかというと、

これはほんと様々。

まずすべての人の数をアナログ的に数えるのは不可能なので、ある面積にどれくらい人がいるか、全体の面積はどれくらいか、サンプリングした面積にいる人がどれくらいで回転するか、などを計算して全体の人数を算出する方法があります。

別の方法では、目視による数え方。お祭り実行委員の偉いさんが人の入りを見て、「今年は10万人だね」とか「去年よりちょっと少ないから9.5万人かな」みたいな目視(ぱっと見た感じ)での数え方。(さすがにここまでじゃないにしても、かなりざっくりとした数え方なのは間違いありません。)

50万人規模くらいなら数え方で倍半分変わってもおかしくはありません。過去には発表する組織によって10倍以上違った数値もあります。運営委員は多く見せたいとかもあるのでしょうね。

とにかく、人の数え方って難しいのですよね。



登山、ハイキングを行った人は972万7千人


平成28年発表の総務省・社会生活基本調査によると、日本全国で1年間に登山、ハイキングを行った人は972万7千人となっています。

高尾山 260万人と金剛山 120万人 を合わせると、380万人です。比率としては40%となります。

1年間で登山をした人が100人だとしたら、そのうちの40人は高尾山か金剛山に登ったことになる計算です。

う〜ん、、、どうなのでしょう。多すぎるような気もしますが、仮に80対20のパレートの法則が当てはまるとしたらこんなものでしょうか?

金剛錬成会について

金剛山には金剛錬成会というものがあります。簡単にいうと登山猛者が集まる会です。

金剛山には登山回数の記録システムがあり、多い人だと登山回数1万回を超える人もいます。1万回って、1日1回登ったとしても27年かかります。すごい記録ですよね。

噂によると、こういった方々は1日1回ではなくて、1日に複数回登山しているようです。

となると「1日に何度も登山する猛者が金剛山の登山回数を支えている説」が考えられますね。

この説について、もう少し掘り下げてみましょう。

金剛錬成会の会員数は4,000人です。結構多いですね。

もちろんこの中には幽霊会員的な人もいるはずです。この中でアクティブ会員になっているのはどのくらいなのでしょうか?

金剛錬成会は毎年5月、金剛山の頂上で表彰式を開催しています。登山回数に応じて表彰を行っているようです。その日に集まるのがなんと1500人!!多くないですか?!

1日の中でこんなに集まるのなら、アクティブ会員も相当数いてそうです。ざっくり3,000人と仮定します。

さきほど1万回登山した人の話を書きましたが、これはもちろん1年の中では不可能ですし、金剛錬成会の中でもほんの一部の人です。

ここでもパレートの法則をもちだしていいものか悩みますが、話を単純化するためにあえて80対20で考えたいと思います。

アクティブ会員3,000人のなかで、2割の人が頑張って1日に1回は金剛山に登山したとしましょう。

そうすると、600人 x 365回 = 7.3万 です。

パレートの法則に従うと、残りの 2400人は年間 8.3回 登山することになり、

全体では 7.3万 + ( 2400 x 8.3 ) = 9.3万 です。

たったの9.3万回です。金剛錬成会が金剛山の登山回数に貢献している数は、120万と言われているたったの9.3万回です。残りの110万人は一般による登山客となります。

仮定の数値を変更して、さらに多く見積もったとしても20万回くらいじゃないでしょうか?いずれにしても100万人前後の一般客がいると思われます。

(注記:金剛錬成会の会員であれば各種データを持っているかもしれませんが、あくまでも外部の人間による推測によるものです。)

ロープウェイの乗車人数から考えてみよう


金剛山は山の麓から山頂付近まではロープウェイが開通しています。2019年3月より運休、2020年1月現在でもまだ動いていない状況ではありますが、頂上付近まで6分でいけるので、大変便利のよいアクセス手段でした。

そんな金剛山ロープウェイの乗車数は年間で10万人と言われています。往復で数えているのか、片道で数えているのかが分かりませんが、、、。

ちなみに、大阪で一番高い山の葛城山にもロープウェイがあり、その乗車数は16万人と言われています。葛城山は春のツツジの季節に多くの人が訪れるので、登山というよりツツジ目的の人が多く、ロープウェイの利用客数が多くなっていると考えられます。

何にしても、ロープウェイの利用者はチケットを買うことになるので、信頼性のある数値として受け取って良さそうです。

金剛山ロープウェイの利用客を10万人とすると、全体120万人に対して8.3%です。

ほとんどの人はロープウェイを利用せずに徒歩で登山していることになります。それだけ金剛山の登山ルートが魅力的っていうことでしょうか?

高尾山を引き合いにだしてみよう

またまた高尾山を引き合いにだしてみましょう。高尾山の登山者数は260万人です。東京・八王子市が発表している高尾山ケーブルカー・リフトの利用者数は200万人です。もちろん徒歩でも登山できますが、登山客の77%はケーブル・リフトの利用客です。素人感覚としては、しっくりとくる割合なのかと感じます。

金剛山の8.3%と全然違いますね。

あとがき

金剛山登山回数7回という金剛錬成会の方の足下にも及ばない僕の経験からですが、、120万人という数値を見たときにちょっと違和感があったのですよね。

120万人という数値は、金剛山の関係者が使い出した数値なのか、単なる噂レベルだったものがインターネットで広がり一人歩きしてしまったのかなど、その出所はよくわかりません。

今回の記事で、これだけ数値がどうとか言っておきながら何ですが、数の数え方ってほんとうに難しいと思います。

ですが、ほんとうの数がどうであれ、金剛山が魅力的な山であることには変わりません。僕もまだ7回しか登ったことはないですが、ロープウェイ含めて4つのコースから登りました。

登山するたびに金剛山の自然の美しさに魅力されます。新しい発見もあります。

1,000メートル越えの山であること、金剛山という強いネーミング、そして大阪の最高地点であるということから「金剛山に挑む」って思うだけでエネルギーが溢れてくる気がします。

さすがに登山回数 100回、1,000回、10,000回の猛者にはなれないかもしれませんが、まだまだ登山回数を重ねていきたいと思っています。登山って面白いですよね。