大阪国際平和センター ピース大阪
1991年、大阪城公園の一角に平和の情報発信基地としてオープンしました。
近隣の学校の遠足コースにもなっていたため僕も子供の頃に行ったことがありますが、その頃は深く考えることができず、ただただ戦争の悲惨さを感じ取るだけしかできませんでした。
そんなピース大阪がいつの間にか「大阪空襲を語り継ぐ平和ミュージアム」として2015年にリニューアルしていました。
大阪空襲の犠牲者を追悼し、平和を祈念するとともに、空襲を中心に大阪の人々の戦争体験に関する資料を展示する施設に生まれ変わったのです。
ピース大阪の場所は大阪城公園内、地下鉄の森ノ宮駅一番出口すぐのところにあります。中央大通り沿いから入ってみましょう。
戦争に関する様々な展示や講演会、映画上映などもやっているようです。「火垂るの墓」もありました。今見てもきっと泣いてしまいそう。
入り口の横にあったタイムカプセル。戦後100年となる2045年に開かれるようです。
日清、日露戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦で使用された武器や、兵士数などがグラフィカルに表されていて、戦争の規模や時代の流れを直感的に理解できるようになってます。
当時のポスターの展示。かわいいイラストですが「米英やっつけろ」とキツイこと言ってます。
他のポスターでは「お金を貯めろ」というメッセージがとても多いです。「目標額を貯めて戦力を増強しなければ勝てない」という意味です。全国の目標360億円のうち、大阪市の目標額は36億円だったよう。
「御堂筋は炎の川」というタイトルの絵です。1945年3月14日、第一回大阪大空襲の時の御堂筋の様子が描かれています。
大阪大空襲は、3月14日から8月14日まで計8回、約1万5千人が犠牲になったと言われています。
こちらは、そんな大阪大空襲の怖さが体験できる展示室となっています。
右手に見えるのは、実物大の1トン爆弾。その後ろにはB29から死の雨のように降り注がれたナパーム弾も展示されていました。
なんば戎橋周辺のジオラマに大阪空襲の映像をプロジェクションマッピングで表現。激しい音と映像で焼夷弾攻撃の恐ろしさが実感できます。大阪の街がどんどんと燃えてなくなっていく様子がとてもリアルに表現されています。これが75年前に起こったなんて息を飲む思いです。
実際に入ることができる防空壕。中へ入ると、空襲が始まります。B29が上空を飛び交う音と、爆弾が落ちる重低音が身体に響き、さらには地上に取り残された子供の叫び声やパニックになった人々の奇声、熱い熱いと言いながら死んでいく人たちの声などあらゆる音が聞こえてきます。暗く狭い防空壕で実際にこんな声を聞いていたら、精神がおかしくなりそうです。実際におかしくなっていたと思います。
広島、長崎に原爆が落とされる前、大阪に落とされた模擬原爆の被災写真。本物の核ではなく、火薬を詰め込んだ模擬原爆。本物の原子爆弾と同じ形の爆弾を落とし、軌道の確認などをしたと言われています。1945年7月26日、場所は大阪東住吉区田辺。
子供の頃に本施設へ行った人も多いと思いますが、大人になってからみると当時とは違った側面を感じ取ることができます。2015年のリニューアルでより見せ方が改善され、より印象に残る展示になっていると思います。大阪空襲を語る貴重な施設だと感じました。