
谷町筋を南下、谷町六丁目から谷町九丁目まで歩いてみました。
空堀商店街 はいからほり。ハイカラと空堀をかけている?名称には時代を感じますが、この辺りはお洒落なお店も多く中崎町などと同じようにレトロな街になっていますね。商店街にちょっと入ってみると美味しそうなお店ばかり。開店前から行列ができている飲食店などもあったりで、いきたいお店リストにどーんと追加しました。
さらに南下していくと、マンションとガソリンスタンドの間に見えてきました。知らないと通り越してしまうほど、ひっそりと建てられているのです。
それがこちら「近松門左衛門のお墓」日本のシェイクスピアと呼ばれ浄瑠璃や歌舞伎の名作を残した人物です。大阪には梅田のお初天神(露天神社)があるので、馴染み深い人物ですね。
1653年から1725年、72歳で没するまで数多くの名作を生み出しました。「曽根崎心中」「国性爺合戦」「平家女護島」「女殺油地獄」「心中天網島」など300年経った今でも歌舞伎や文楽で上演されてます。心中ものが多く、これらの作品が流行った時には「心中」が社会現象になるほど問題になったそう。「曽根崎心中」「女殺油地獄」などは映画化もされています。
「女殺油地獄」は、これまで7回に渡り映画化されています。2009年に公開されたものはあの坂上忍が監督です。R18作品。
この記事を書いている2019年11月には十代目松本幸四郎襲名記念、シネマ歌舞伎として全国の映画館で上映されてます。物語としては下に挙げた「曽根崎心中」の方が強いストーリーを持っていると思いますが、「女殺油地獄」がこれほどまでに何度も何度も作られるってのは、それぞれの時代や作り手の解釈により多様な情景描写ができる作品だからだと思います。複数の作品を見ると、それぞれの面白さがありますしね。それにしてもタイトルがインパクトありすぎ。
「曽根崎心中」こちらは1978年に公開された映画。演者の個性がどハマりしてます。今の時代の感性でみるとかなりえげつない感じ。
突き当たりにあるのが近松門左衛門のお墓です。もともとお寺があったところですが、谷町筋拡張のため移転。お墓だけがこの地に残りました。国指定史跡になっているようです。
右は「近松門左衛門墓」、左は「近松研究會」と書かれています。
これだけひっそりとしているにも関わらず、お参りの人は絶えないそうです。この日は11月9日だったのですが、11月22日は近松門左衛門の命日になります。今の時期が一番多いかもしれませんね。
それにしても、押し込まれている感じがすごいですね。隣のマンションのベランダから見えるんじゃない?「うちのベランダから近松門左衛門のお墓が見えてさー」なんて自慢げに話すことができるレア物件ですね。
お墓を後にして、南へ向かいましょう。谷町筋にはお寺が沢山ありますね。
谷町筋の西側(心斎橋側)は急な坂になっていて、上町台地の境界だったことがわかります。魅力的な坂道が沢山あるので、高低差フェチにはたまらないと思います。
近松門左衛門お墓
