
梅田の地下街は、別名「梅田ダンジョン」と呼ばれるほど複雑に入り組んだ地下街になっています。
一旦迷い込むと、巨大な迷路に入ったかのように、目的地まで辿り着けないこともしばしば。。
そんな複雑な梅田の地下街へ空気を送り込むために作られたのが「梅田吸気塔」です。
場所は、阪急百貨店と阪神百貨店の間、ちょうど御堂筋北端にあります。
梅田の街に溶け込んでいる独特の形状、その佇まいから芸術的なモニュメント?と思うかもしれませんが、梅田地下街の一機能を担っている建造物なのです。
1963年、建築家・村野藤吾によって設計。村野藤吾は、かつて難波にあった「新歌舞伎座」「そごう百貨店」や、今もなお船場のレトロビルとして親しまれている「綿業会館」などの設計に携わった人物です。
吸気塔はステンレスの硬質の輝きと曲線がとても美しい作品。街中に溶け込み、かつ存在感のある佇まいです。
それぞれの塔が単独でなく、繋がっている様子が見えます。吸気塔の高さは約15メートルにも及びます。
上から見たところ。吸気塔が5塔、その横にはたくさんの室外機が置かれています。
吸気塔の上部から、空気を引き込み地下街へ送ります。上部はゴミ対策と思われる白いネットが張られていますね。
生命の息吹と機械的な造形美を融合させた吸気塔。見る角度や時間帯によって様々な表情を見せるのが面白いですね。

【梅田吸気塔】
大阪府大阪市北区曽根崎2丁目16
大阪府大阪市北区曽根崎2丁目16